1月から中国湖北省で流行し始めた新型コロナウイルスですが、ちょうど中国における春節の時期と被っていたこともあり、中国の国民たちはみな家の中で休暇を過ごさざるを得なくなりました。2月10日を迎えて、上海を始めとした都市では徐々に社員の出勤やリモートワークなどを活用して、企業活動が再開され始めています。

 さて、1月24日からの長期休暇に伴い、今なお外出に制限を余儀なくされている市民たちは、生活に必要な情報や物資をどのように得ているのでしょうか。

 一番の情報ツールはSNSです。今現在も中国のSNSにおける検索ワードランキングは新型コロナウイルスに関することで席巻されています。リアルタイムで情報を得るために、国民が改めてSNSに注目していると言えます。

また、物資の入手手段ですが、そこで大きな役割を果たしているのが中国国外に住むバイヤーたちの存在です。日本を始め様々な国で生活している中国人バイヤーたちは、中国国内で需要が一気に高まったマスクを代表とした必要物資を購入し、中国へ発送しています。

バイヤーから購入できるものはコロナウイルス対策商品に留まらず、例えば上海に住む中国人ママたちは彼らから化粧品やベビー用品などを引き続き彼らから購入しています。こうしたリピート顧客の存在により、いずれ中国市場が再び活気付くことを予想するバイヤーも存在します。

 2月10日を経て、新型コロナウイルスは国を挙げての関心事だということは変わりないものの、バイヤーたちは徐々にSNSを通じて日常生活や化粧品に関する情報などの発信も始めています。現在の市場は物流の停滞などからまだ以前の勢いを取り戻してはいませんが、いずれコロナウイルスが収まった頃を見越して、バイヤーたちは新たな商品の宣伝活動を開始しています。彼らからもたらされる商品や情報は、外出が制限されている中でさらに大きな影響力を持つようになってきています。
 有事の際ではありますが、これを機にさらに影響力を増した中国人バイヤーたちの情報力や発信力に注目することは、中国国内での商品流通の際に欠かせないポイントだと言えるでしょう。